魚を弱らせない扱い方_TOP写真

みなさんは、釣った魚をどう扱っていますか?

魚にダメージを与えないようにしている、という方も多いと思います。

折角釣った魚、弱らせないようにしたいものです。

持ち帰るなら弱らない内に適切に絞める。
リリースするなら厳しい自然界で生き残れるように出来るだけ釣った時の元気な状態に近い状態にすべきでしょう。

そのために具体的にどうするか、まとめてみました。

比較的、釣り初心者さん向けの情報ですが、経験者さんも是非ご確認ください。

<関連記事>弱った魚をリリースするか迷った時にやること

一番大事なのは、素早くハリを外すこと

魚の口先近くに掛かったハリであれば指(またはプライヤー)で外すのが基本となりますし、そう難しいことはありません。

問題は、ハリを飲み込んだケースです。
魚の種類によっても状況は異なります。

飲み込まれたハリが見える時の対処法

カサゴなどの大口の魚の場合かなり奥の喉元まで見えます。

ハリを飲んだカサゴ
ハリを飲んだカサゴ

奥でもハリが見えている場合は、以下の基本手順でハリを外します。

  1. ハリスをピンと張った状態にする。
  2. ハリ外しを差し込み、飲み込まれたハリのカーブしているところまで到達させる。
  3. ハリ外しを魚体奥の方に少し押し込み、ハリ先を外す。
  4. この時、ハリ外しの先にハリが掛かった状態になっていますので、そのまま引き抜く。

ここでのポイントは終始ハリスを緩めないということです。
また魚体をできるだけ傷つけないよう慎重に行いましょう。

飲み込まれたハリが見えない時の対処法

前述カサゴなどの大口魚と比べ、ベラなどの小口の魚の場合、口中がほとんど見えません。
それでも上記「ハリが見える時の対処法」に記載した手順を一度トライしてみます。

但し、手順2でハリ外しが飲み込まれたハリまで到達しない、または到達させるには魚体の負担が大きいと感じるケースは無理に進めるのは止めてください。
早々にあきらめ、口先付近でハリスを切ります

そして素早くリリースまたはクーラーボックスに投入して処理完了です。

※ハリを飲んだ魚(イワナ)がその後どうなるか?実験を行った方がいます。
結果、多くのケース(全てではない)でハリは無事体外に排出され、魚は生きていられることが分かっています。
※ハリを飲んだ状態で持ち帰る魚はマーキングするなどして、調理の際に忘れず取り除くようにしましょう。

地べたに置く場合は、あらかじめ水で濡らしておく

防波堤などで、魚を地べたに置く行為は魚にとって二重のダメージを与えることがあります。

  • 魚体を保護するための「ヌメリ」が取れてしまう
  • 熱でヤケドを負う

乾燥した地べたに魚を置くと、乾燥面にヌメリを取られてしまいます。
コンクリートや土なども同様です。
魚のヌメリは再生されるものですが、再生されるまでの間、ヌメリが部分的に無い(又は薄い)状態では、その部分が病原菌などの侵入に弱くなっています。

また特に夏場では、コンクリート面が非常に熱くなっています。
置かれた魚はヤケドを負い、暴れることにより更にダメージを受けてしまいます。
魚にとっては大変厳しい環境と言えるでしょう。

これらのダメージを緩和するために、自らの釣り座の近くを常に濡らしておき、釣れたら魚をそこに置くようにします
※あくまでも「緩和」する目的です。
 全くダメージを与えないというわけではありません。

濡らした地べたに置いたイトヒキハゼ
濡らした地べたに置いたイトヒキハゼ

夏場はこまめに水を撒き、表面温度を下げておきます。

勿論小型の魚であれば、水汲み用のバッカンなどに一時的に入れておくのも良いでしょう。

手でつかむ時は、あらかじめ水で濡らしておく

乾燥した手で釣った魚をつかむ行為は、魚を乾燥した地べたに置く行為(前述)に近いものがあります。
魚をつかんだ手にべっとりとヌメリが付いたという経験も持つ人は多いはず。
そして、人間の体温程度でも魚はヤケドするという話も聞きます。

従って、釣れた魚をつかむ時は、サッと手を濡らすと良いでしょう。
こうすることによって、手のひらの表面温度を下げ、更にはヌメリが付着するのを最小限にしてくれます。
それだけで魚の負担はかなり軽減されるはずです。

濡れた手でつかんだカンパチの幼魚
濡れた手でつかんだカンパチの幼魚

勿論、大物が掛かったときなど、そんな余裕が無い場合もありますが、普段から気にしておくという姿勢が大事だと思います。

魚によってはそもそもつかまない

アジ、イワシ、ハゼなどの小型の魚は、そもそも魚体をつかまなくてもハリを外せることが多くあります。

口がやわらかいアジやイワシであれば、魚の口先に掛かっているハリを指先でつまみ、カエシ部分が下になるようにすれば、魚が自らの重みで落ちます(つまり魚がハリから外れます)。
口が比較的硬めのハゼの場合は、その口先をつまみ、もう片方の手でハリを外します。

ハリが飲み込まれていなければ、そもそも魚体をつかむ必要が無い場合もあるのです。

参考:便利なツールを積極的に使おう!

魚にできるだけダメージを与えないための便利ツールを紹介します。

小型魚のハリ外し

サビキ釣りなどで、アジやイワシが沢山釣れている時に使うと威力を発揮します。

小型魚のハリ外し
小型魚のハリ外し

<釣れた魚の外し方>

  1. 魚が釣れたら、仕掛の下部(オモリまたはカゴ)を持ち、糸をピンと張ります。
  2. 魚の口先にあるハリにハリ外しの「く」の字部分を引っ掛けます。
  3. そのままハリ外しを上に持ち上げハリのカエシ部分が下に来るようにします。
  4. すると自重で魚がハリから外れ落ちます。

持ち帰る魚であれば、下にクーラーボックスを置いておけば、魚が勝手に入っていきます。
リリースする魚であれば、下にバッカンを置き一旦受けてからリリースします。

このハリ外しは、そもそもハリをつかむようにできていませんので、イワシやアジなどの口がやわらかい小型魚向きです。

フィッシングプライヤー

ハリ外し/魚の口先をつかむ/ガン玉を潰す/潰したガン玉を開く(再利用する)/糸を切る、などなど多目的に使える便利ツールです。

フィッシングプライヤー

これがあれば小型魚だけでなく中型魚でも魚体をつかまずにハリを外せるケースが増えます。

ラバーコーティングネット(玉網/タモ網)

一般的に玉網/タモ網は糸を編んで作られています。
ですが、糸は魚体に食い込みやすく、あまり魚体にやさしい素材とは言えません。
これを改良したのが、「ラバーコーティングネット」です。

ラバーコーティングネット

糸の部分がゴム素材でコーティングされているので、魚体にダメージを与えません。

フィッシンググローブ

そもそも自らの手を保護するためのものですが、魚をつかんだ時に人間の体温を魚に直接伝えず、魚にやさしいアイテムと言えます。

フィッシンググローブと石鯛の幼魚
フィッシンググローブと釣れた石鯛の幼魚

魚をつかむ時は、少し濡らしておくと良いでしょう。


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<更新履歴>
2019/10/01 記事公開