黒鯛料理ポイントTOP写真

多くの釣り人が嬉々として狙う黒鯛(チヌ)。

沿岸域に生息する魚なので、釣り船に乗らずとも岸(防波堤など)から大きなサイズが釣れるのが黒鯛の特徴。
折角釣った黒鯛は優良食材として、美味しく頂きましょう。

釣り場で適切に絞めて、その場で食べるも良し、または持ち帰って料理に凝るのも良し。
クセが無い味なので、料理方法は無数にあります。

この記事では、美味しい黒鯛の見分け方、絞め方、食材としての見方、などを紹介しています。

美味しい黒鯛とは?

黒鯛は、45cmを超えるような大型で、更に”居付き”と言われるようなドス黒い個体は、少し味が落ちると言われています。
それでも顕著な違いはありませんが、食べる黒鯛はさばき易さも考慮して、シルバー色が強い20-45cm位のサイズがお薦めです。

外観では、下の写真を参考にしてください。

chinu_itsuki48cm
48cm
色がドス黒い(居付き)
少し味が落ちると言われる
chinu_silver31cm (1)
31cm
綺麗なシルバー
美味しい

黒鯛は沿岸、河口、下流の汽水域など、どこにでもいる魚です。
なので、釣れる場所によっては、魚の味も変わってくる可能性があります。
水が汚い場所で釣れた黒鯛は、嫌な臭いがする場合があります

また、移動する魚なので、水の綺麗なところで釣れた個体でも臭いがする場合もあります。
嫌な臭いは、内臓回りから発せられている場合もあるし、魚全体の細胞レベルにまでしみ付いている場合もあります。

少なくとも釣り上げてすぐ嫌な臭いがする個体や汚染された場所で釣れた個体は、リリースしましょう。

また黒鯛の美味しさは季節要因も大きいのです。
寒くなってくる晩秋(11月下旬)から、春先(3月初旬)で産卵前までの黒鯛は、同じ場所で釣れたものでも暖かい・暑い季節に釣れたものと比べ美味しい。

黒鯛の絞め方

釣った黒鯛を持ち帰る場合だけでなく、釣りの現場で食べる場合でも釣って直ぐに食べることは少ないと思います。
その場合、魚の鮮度が落ちないように、次のステップで適切に絞めましょう。

  1. 目とエラ蓋の端と頭頂を三角形として見た場合の三角形の中心より少し上(赤丸の箇所内の少し左寄り)に包丁の先をグサッと刺します。
    丁度その場所に魚の脳がありますので、そこを刺すことにより、一瞬にして苦しめることなく、絶命させることができます。

    黒鯛急所
    黒鯛締め
    ※頭を残す料理(塩焼き等)で出来上がりの見栄えが気になる場合は、写真とは反対面に刺します。

  2. エラ蓋を開いて、更にエラを指で引っ掛けて持ち上げながら、エラが繋がっている上部分を背骨ごと切断します。
  3. 黒鯛血抜き

  4. 上記2で切断した部分を水につけて、血抜きします。
  5. 血が抜けたら、ビニール袋などに入れて、クーラーボックスに保管します。
     (直接、氷水に浸からないようにします)

※血を抜く為に、尾ビレの根本に切り込みを入れるやり方もありますが、上記3の行程で水につけていますので、ここではその必要はありません。
魚が大きすぎて水につけるのが困難な場合は、尾びれの根本を切り、頭を下に持てば、血が抜けます。

鋭い棘には要注意!

黒鯛には、ヒレに鋭い棘が沢山あるので、調理の際には気をつけましょう。

キッチンバサミなどで先に切り取ってしまうという手もありますが、塩焼き等の際には見栄えに影響しますので、その辺りは慎重に。

chinu_hire1_withline chinu_hire2_withline
chinu_hire3_withline

黒鯛は料理の素材としても優良

基本的に、生息環境の悪い影響を受けなければ、美味しく食べられる魚です。
(但し、産卵後など、あまり美味しくないと言われる時期があるのは、上述の通りです)

以下、部位毎に料理ポイントを説明します。

【身】:柔らかいので、火を通す場合は、皮つきが良い。マダイ同様色々な料理に使える。
【皮】:縮みやすい。塩焼きなどで焼く場合は、飾り包丁を入れると良い。皮のみを湯引きで食べても美味しい。
【内臓】:新鮮な内は、肝臓・胃袋・腸・卵巣・精巣など、火を通す料理で食べられる。
【骨】:固いヒレ(棘)を除き、素揚げで食べられる。沿岸物は多少臭いがあるので、出汁を取る目的では使いにくい。

臭い黒鯛をつかんでしまったら?

比較的水が綺麗なところで釣れた黒鯛、その魚体は美しく、そして美味しそう!
ところが、持ち帰って、腹を割いてみると、嫌な臭いが・・・・なんてことがたまにあります。

仕方なく捌いて何度も水洗いしてみる・・・・臭いは変わらない・・・
こんな場合でも魚を丸ごと捨てることだけは絶対にしてほしくない、というのがクレイジーフィッシングの考えです。

一つの提案として、下にレシピを用意しましたので、臭い黒鯛にあたってしまったら、是非ともお試しください。

『黒鯛の中華風そぼろご飯』レシピ

黒鯛の中華風そぼろご飯

  1. 器に長ネギの青い部分を敷き、その上に骨を取り除いた半身200g程度を載せ、電子レンジで1-2分チンします。
  2. 火の通った身を大まかにほぐしていきます。
    また皮は小さく微塵切りにします。
  3. ほぐした身と微塵切りにした皮をプライパンで乾煎りし、大き目の身を崩しながらパラパラになるまで水分を飛ばし、一旦器に取り置きます。
    ※この時点で臭いの7割程度は消えているはずです。
  4. フライパンにサラダ油を敷き、微塵切りにしたニンニク1片を炒めます。
  5. ニンニクのいい香りが漂ってきたら、豆板醤小さじ1杯を入れ、混ぜ合わせます。
  6. 先程取り置いた、パラパラになった黒鯛を投入、豆板醤を絡めます。
  7. 紹興酒(無ければ、料理酒でも可)大さじ2杯、オイスターソース大さじ1杯、醤油小さじ1杯、砂糖小さじ1杯、炒りゴマ大さじ1杯を投入よく混ぜます。
    水分がほぼ飛んだら火を止めます。
  8. ご飯を盛った丼に出来たそぼろを掛け、オプションで生の黄身を麺つゆに漬けたものを中央に載せ、出来上がり!
    お好みで刻み葱を散らしても良いでしょう。

    臭いの殆ど気にならない美味しい中華風そぼろご飯、是非ご賞味ください。


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