小鯖のへしこTOP写真

『鯖のへしこ』とは、鯖(サバ)を糠漬けした水産加工品・郷土料理で、若狭、丹後地方が産地として有名です。

一般的には30㎝以上の成魚が用いられますが、この記事では防波堤などで手軽に釣れる20㎝以下の小鯖を使って作るレシピを紹介します。

小さくても味は抜群!朝食のオカズに、またはお酒の肴に最適です。

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全作業概要

  1. さばく
  2. 塩漬け 2日
  3. 糠漬け 2ヵ月
  4. 食べる時に焼く

作業そのものは簡単ですが、計2ヵ月ちょっと掛かる長い行程です。
塩漬け・糠漬け期間中は冷蔵庫保管しますので、冷蔵庫のスペースを確保しておいてください。

さばく

  1. 釣ってきた小鯖をまな板に用意します。
    小鯖のサイズは、10-20cm程度で、20匹前後は欲しいところです。

    まず軽く水洗いしヌメリを落とします。

    小鯖準備

  2. 頭を落とし、内臓を抜きます。
    仮に釣った当日に料理しない場合でも鯖の鮮度落ちは早いので、ここまでの作業は当日にやっておきましょう

    初日捌き
    ※写真の小鯖は腹側を割いていますが、背開きをする場合は腹を割かないでください。

  3. 頭側の背から包丁を入れ、腹側の皮を切らないように注意しながら、中骨の上を切り、開きます(背開き)。

    背開き開始

    背開き(骨付き)

  4. そのままの状態で、次に背骨中骨部分のみを切り離しつつ、最後に尾ビレの根元でカットして、背開き完了です。

    背骨切り離し

    背骨カット

  5. この時、目立つ腹骨が残っている場合は、骨抜きを使って抜き取ります。
    大きな鯖の場合、横隔膜と一緒に腹骨を削ぎ取るように作業しますが、小鯖の場合は、目立つ腹骨だけ抜けばOKです。

    背開き完了

    尚、ご参考までに、背開きの他、腹開きも可能です。
    自分がやり易い方でやれば良いでしょう。

    背開きと腹開き

    (上:腹開き、下:背開き)
  6. 同様の作業を全数繰り返します。

    全部捌く

塩漬け

  • タッパに塩を薄く敷き、その上に捌いた小鯖を重ね敷いていきます。

    塩漬け1

  • 塩→小鯖→塩→小鯖→塩・・・と繰り返します。

    塩漬け2

  • 二日間冷蔵庫の保管しておきます。

    塩漬け冷蔵庫保管

  • 二日後の状態です。水分がかなり抜けています。

    二日後

  • 水でサッと塩分を流し、キッチンペーパーで水分を除去します。

    水分除去

    水分除去済

  • 糠漬け

    1. タッパに密封袋をセットしスタンバイ。

      タッパに密封袋セット

    2. 市販の糠漬けの素に水を加え、糠床を作ります。
      水の分量は、商品袋に記載されています。
      (糠漬けの素は、複数社から販売されています。特に指定しませんのでどの商品でもOKです。)

      糠漬けの素

      糠床作り

    3. タッパにセットした密封袋に、糠→小鯖→糠と交互に重ねていきます。
      糠はしっかり小鯖に密着するように、手で押し込みながら漬けるのがコツです。

      できるだけ空気が残らないようにします。

      糠漬け1

    4. 全数漬け込みが終わったら、密封袋内の空気を抜きながら封をします。

      糠漬け2

    5. タッパの蓋をせずに、密封袋の上にオモリになるものを置き、後は2ヵ月漬けます。

      二ヵ月糠漬け

    6. 2か月から美味しく食べられます。

    食べ方

    1. 2ヶ月後に冷蔵庫から取り出した中身です。

      二ヶ月後

      空気が少し残った部分に、カビが発生していますが、表面だけですので、気にする必要はありません
      これも想定内です。

    2. 小鯖を一枚一枚糠床から剥がして、くっ付いている糠を軽く落とします。

      糠落とし1

      小鯖の皮面は、糠離れが良く、内面は逆に悪いので、指で軽くこすりながら、糠を落とします。

      糠落とし2

      糠落とし3

    3. 1回に食べる分量毎に密封袋に入れ(できるだけ空気を抜きます)、冷蔵庫に保管しておきます。

      小分け

    4. 後は、オーブン・フライパン・魚焼き網などで焼いて出来上がりです。

      小鯖のへしこ出来上がり

      大変美味しい小鯖のへしこをご賞味ください!